長編エンターテイメント小説で楽しめたこの本。
神の子 薬丸岳 著 光文社文庫 文庫版 上下巻
上下巻で1116ページの読み応えある小説でした。
主人公はIQ161以上の頭脳をもつ少年だが、親の愛も知らぬまま自分の頭脳だけを頼りに生きてきた。
闇社会での仲間とのトラブルで少年院に入り脱走計画決行したが・・という始まり、
闇社会と少年院の話かなと思いきや、更生にかかわる人たちや少年院を出た後にかかわる同年代の少年少女と変人科学者・その裏で主人公の頭脳を欲する、闇社会のボスといった登場人物が絡まりあい、次々と展開していく物語にのめりこみ一気に読めてしまう作品です。
文章も読みやすく闇社会の暗い話だけでなく、少年少女と変人科学者の話は明るく楽しい部分もあり、主人公の人を信用しない態度とは裏腹に不器用ながら関わる人間思いじゃんとか思いつつ、最後まで楽しめました!
ただ個人的には、主人公の高いIQならではのすごさがもっと欲しかったな~と思いました。割とそこは地味で人間関係が主な感じでした。なので☆☆です。